3. モデルパラメータと飽和交通流率の関係

3.1 飽和交通流率

図3.1に示すネットワークを用い、1000[台/時]の交通需要を与えてシミュレーションを行い、飽和交通流率を検証する。信号はサイクル長を120[秒]、スピリットを 50%、損失時間を 10[秒/サイクル]に設定し、シミュレーション開始後10サイクル経過してから、10サイクル分のリンクからの流出量を観測した。モデルの単位スキャン時間を0.1秒に設定し、これを観測する時間間隔とする。


飽和交通流率の検証に用いた設定
図3.1: 飽和交通流率の検証に用いた設定

ASSTraseでは図 3.2に示す前後方向制御ロジックによって、各エージェントの目標前後加速度を算出している。前後方向制御ロジックで参照される停止時の車間距離と車間時間は、それぞれパラメータheadwayDistanceStopとパラメータheadwayTimeで与えられる。これらのパラメータは正規分布に基づく確率密度関数に従ってランダムに設定、もしくは一定値に設定する事ができる。
また、図 3.3に示すように信号遅れ時間はパラメータstartDelayによって与えられる。車間距離などと同様に、信号遅れ時間のパラメータも正規分布に基づく確率密度関数に従ってランダムに設定、もしくは一定値に設定する事ができる。


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ASSTranse 前後方向制御ロジック
図3.2: ASSTranse 前後方向制御ロジック


信号遅れ時間
図3.3: 信号遅れ時間

標準の設定で計測した結果を図 3.4 に示す。このときの各パラメータは図3.5~図3.7の分布に従ってランダムに設定される。


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1サイクルあたりのリンク下流端通過交通量
図3.4: 1サイクルあたりのリンク下流端通過交通量


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停止時の車間距離(headwayDistanceStop)の確率密度
図3.5: 停止時の車間距離(headwayDistanceStop)の確率密度


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車間時間(headwayTime)の確率密度
図3.6: 車間時間(headwayTime)の確率密度


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信号遅れ時間(startDelay)の確率密度
図3.7: 信号遅れ時間(startDelay)の確率密度

次に、パラメータを一定の値に設定したときの計測結果を示す。
図3.8に、停止時の車間距離(headwayDistanceStop)を2.0[m]に設定したときの結果を、図3.9と図3.10に、車間時間(headwayTime)を0.5[sec]と1.0[sec]に設定した結果を、図3.11に、信号遅れ時間(startDelay)を0.0[sec]に設定した結果をそれぞれ示す。


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1サイクルあたりのリンク下流端通過交通量 (停止時の車間距離(headwayDistanceStop)=2.0[m])
図3.8: 1サイクルあたりのリンク下流端通過交通量: 停止時の車間距離(headwayDistanceStop)=2.0[m]


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1サイクルあたりのリンク下流端通過交通量 (車間時間(headwayTime)=0.5[sec])
図3.9: 1サイクルあたりのリンク下流端通過交通量: 車間時間(headwayTime)=0.5[sec]


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1サイクルあたりのリンク下流端通過交通量 (車間時間(headwayTime)=1.0[sec])
図3.10: 1サイクルあたりのリンク下流端通過交通量: 車間時間(headwayTime)=1.0[sec]


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1サイクルあたりのリンク下流端通過交通量 (信号遅れ時間(startDelay)を0.0[sec])
図3.11: 1サイクルあたりのリンク下流端通過交通量: 信号遅れ時間(startDelay)=0.0[sec]

モデルパラメータと飽和交通流率の関係のシミュレーション・デモです。
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INDEX
1. 車両発生 
2. モデルパラメータと交通流特性の関係/ボトルネック容量
3. モデルパラメータと飽和交通流率の関係
4. 渋滞の延伸と解消およびショックウェーブ
5. 合流部の容量と合流比 (エージェントモデルのため省略)
6. 信号交差点での対向直進交通による右折容量の低下
7. 経路選択